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谷野 志帆

ときめきのサイクルを回して、世界の幸福度をあげたい。

こんにちは!AWAKE&編集部です。会員の皆様の人生観や、大切にしていること、日々の気づきなどをお伺いする、「AWAKE&会員インタビュー企画」をお届けします!

今回はデザイナー兼イラストレーターとして、AWAKE&のイラスト制作も行ってくださっている谷野 志帆さんをお招きし、会社員からデザインの仕事を始めた経緯や大切にしている考えについて詳しく伺いました。

Profile

谷野 志帆(たにの しほ)
1993年生まれ、大阪府出身のブランディングデザイナー兼イラストレーター。大学卒業後に都内のIT企業でマーケティングの業務を遂行しながらデザインを学び、副業期間を経て2021年に独立。「人の心をときめかせる」をビジョンとし、企業のロゴ制作やイラスト制作を多数手掛ける。海外旅行、都会と美しい自然の観察、美味しいものとインテリアが好き。 好きな映画はマイインターン。

Instagram:@shihograph


「旅先で、常識が洗い流されるような感覚を味わった」

—— 今日のゲストは、AWAKE&会員のshihoさんです。現在の活動内容を教えてください。

大阪府出身、東京在住のデザイナー兼イラストレーターとして活動しています。現在はロゴデザインやブランドのアートディレクションなど、ブランドのアイデンティティを構築することをメインの仕事としています。企業のSNSのブランディングやイラストを描く仕事も受けています。

ー どのような経緯でデザインのお仕事をされているのでしょうか?

小さい頃から絵を描くことが好きだったので、高校生の頃に美大へ行きたいと考えていました。しかし両親から安定の道を薦められ、美大の道は諦めることに。それでもクリエイティブな仕事への憧れが消えず、社会人になってからデザイナー兼イラストレーターを目指して副業をはじめました。

デザインとは関係のない営業職やマーケティング職に従事しながら、独学で勉強し、副業のお仕事をいただくことが増え、無事に独立したという経緯です。

ー shihoさんが描くイラストには海外の雰囲気を感じます。

学生時代に2週間のゴールドコーストの短期留学に参加した時に、今まで見てきた常識が全て洗い流されるような感覚を味わったんです。道路ひとつをとっても日本とは異なる環境に面白さを感じ、凝り固まった価値観に縛られたくないと強く思ったのを覚えています。

そんなきっかけもあり、学生時代から社会人になった今でも海外旅行によく行きますね。旅先ではその国ならではの建築や色使いに惹かれ観察しているので、イラストにも海外らしいテイストが現れているのかもしれません。

ー クリエイティブな仕事へのモチベーションはどこにありますか?

大学の卒業旅行でスペインへ訪れたとき、広場で偶然ピカソの壁画を見かけたのですが、それは決して複雑とは言えない、単純な絵でした。なぜ彼がこのシンプルな絵を大きな広場に描くことができたのか気になったので歴史を調べると、彼が多作で人々の心に影響を与える絵を多く残していたことを知りました。

ピカソの壁画を見つけた広場の近くにある、バルセロナ大聖堂

この体験をきっかけに「彼の絵は彼の死後もなお、誰かに影響を与えている」ことに気づき、私も誰かの心をときめかせる何かをこの世界に残し、少しでも世界の幸福度をあげられたら、と考えるようになりました。

ー 「名を残したい」という話はよく耳にしますが、「ときめきを残したい」という考えは素敵ですね。


自分にしかできない、自分の人生を生かす仕事

ー クリエイティブ制作のお仕事をする中で感動したエピソードを教えてください。

自分の制作物を通して喜んでくれる誰かの姿が、直接目に見える瞬間はすごく嬉しいです。完成に至るまでは想像以上に時間がかかったり、苦しく感じたりすることもありますが、それを乗り越えて1つの作品が完成したとき、大きな喜びを感じます。

クリエイティブな作品はその人生が凝縮された結晶だと思っていて、自分にしかできない、自分のこれまでの体験を生かせることが誇りです。同じように何かを生み出す人たちのことも尊敬しています。

また、自分の手掛けた作品が世の中に広がっていく様子は見ていてとても嬉しいですね。ロゴやイラストを通して人の夢を応援できるので、やりがいにも繋がっています。


意識しているのは、世の中を観察すること。

shihoさんのインスタグラムの世界観、センスが素敵だなと思い拝見しています。

ありがとうございます。心を持ち上げてくれるような言葉や引用(quotes)が好きでよく目にしているので、私の世界観には、どこか哲学的な要素が混じっているのかもしれません。

また、ある先輩の話がセンスを磨き始めたきっかけになっています。その方はのちにデンマークのアアルト大学に進学されたのですが、デザインを学ぶ上で意識していることを尋ねると「日常を観察すること」と答えが返ってきました。

例えば、「道のアスファルトは、なぜ黒色なのか?」と問いかけられたとき、単純に石が黒いからというのも一つの理由かもしれませんが、汚れが目立たないことや、白線が見やすいことなど様々な理由があるはずです。

それからは、建築や神社仏閣、店舗のロゴや広告など、何かを目にするたびに作られた背景を想像して、言語化するようになりました。「物事には全て理由がある」ということに改めて気づかされた出来事でした。

街には、誰かが想いを持って感性を研ぎ澄ませ、何人もの声が反映され磨かれたもので溢れています。その中から洗練されたものを見つけ、なぜそうなったのかと逆算の視点で見るのは楽しいですね。この経験から以前よりも物事への観察力が鋭くなったと感じています。


自分の「好き」がどの国に転がっているかはわからない。

心打たれたスイスの自然とイタリアの建築

ー 最近自分の好きなものを探しにヨーロッパへ旅をされていたそうですね?

自分の「好き」を知りたくて、6月末から1ヶ月ほど欧州に滞在していました。

私は国や都市を、建築、人、食文化、歴史、自然・・というように様々な特徴を持ったレイヤーが重なっているものだと捉えています。

偶然日本に生まれたけれど、もしかしたらスイスの大自然や、イタリアの食文化が今の自分の心に刺さるかもしれない。自分の「好き」がどの国に転がっているのかは、それに触れるまでわからなくて、新たな「好き」を知るためには、実際現地へ足を運んでアンテナを発動させる必要があると思っています。

また、今回の旅では建築とフォントとの関係性にも気づくことができました。例えばローマの壁に刻まれた「TRAJAN」と呼ばれるセリフ体のフォントもそうですが、「このフォントってこの街っぽいよね」というのは結構言えるんじゃないかなと思いました。

ヨーロッパの街で見かけたフォントの写真

ー 確かに北欧やフランスなど「フォントがその国を連想させる」ことってありますよね!

ヨーロッパで特に惹かれたローマにあるバチカン美術館

その他に面白いと感じた気づきは、「日常生活でよく目にするものが作品にも反映される」ということです。

ローマの美術館の近代アーティストの作品は、人の像に新たに金箔がほどこされているなど、当たり前といえば当たり前ですが、「これはヨーロッパの建築や文化に普段から囲まれていないと創造できないだろうな」と思う作品ばかりでした。

国によって目にするもの、感じるものが違い、どこの国の生活環境が自分に合うかはその土地に行ってみないとわかりません。それらを感じ取り、自分が一番過ごしやすい環境を見つけたいという思いもあり、旅に出ています。

私は、自分の「好き」を知り、その環境に身を置くことで、人生がより良い方向に行くと信じています。


どの海域が自分にとって一番息をしやすいのかを探す。

- shihoさんが大事にしている考え方を教えてください。

一つ目は、「自分の息がしやすい海域を探し続けること」

自分の強みと弱みを理解し、今の自分の長所が最も生かされる環境にいることです。魚が陸では息ができないように、もし現状が苦しいならまずは息のできる海へ。そこから一番息がしやすい海域を探します。

「弱みを鍛える」のも良いですが、それが強みである人にはどう頑張っても勝てません。自分の一番の強みを見つけて磨き、人を喜ばせられれば良いのかなと思います。

二つ目は、「自分の「好き」を知り、追求すること」。これは自分のご機嫌を取っておくためでもありますね。人は好きなものに触れてときめいている間は、ポジティブな状態でいられます。一人一人が「好き」に囲まれてときめく状態をキープできれば、世界はもっと平和になると思います。

最後三つ目として、これは私の場合ですが「ときめきのサイクルを回すこと」。

自分が外からときめきをインプットし、仕事でのアウトプットを通して誰かをときめかせて、お金をいただき、次にまた違う国へ行ってインプットをし…というように、ときめきのサイクルを回していきたいです。

人生は体験だと思っているので、体と魂が一緒にいるうちにいろんな国を旅したくて。世界から掻き集めたときめきを“自分”というフィルターを通して濾過すると、私だからこそ出来上がる表現があると信じています。

ー 素敵な表現ですね!感受性豊かなshihoさんですが、今まで息のしづらかった環境はありますか?

ありがとうございます。

SNSでは今まで発信していなかったのですが、実は若干ADHD気質なところがあり、他の人が感じないような生きづらさを感じることがありました。

でも、この性質があることで何時間も集中できたり、いろんな場所に足を伸ばせたり、発想が尽きない自分でいられたりするのも事実です。今ではその強みが仕事の武器になっています。あっというまに過ぎゆく貴重な人生だから、いつまでも弱みやコンプレックスばかりに囚われて悩むわけにもいきません。

どうしても苦手な分野は仕組みで解決したり、得意な人の力を借りたりしながら、今は自分の強みが最大限に発揮できる環境を、自分の手で整えています。

強みと弱みは表裏一体なので、どちらも上手に自己受容し、もっと自由に表現することを楽しみたいと思います。

ー 貴重なエピソードをありがとうございます。息のしづらさを感じている人にこのエピソードが届いたらいいですね。


学校では教えてくれないことを学べる。

ーAWAKE&で衝撃を受けたコース、気になっているコースはありますか。

衝撃を受けたのはアニマルライツコースでした。

アニマルライツコース_岡田千尋

食育の部分って学校では教えてくれない内容なので、今回AWAKE&を通して初めて現状を知り、知った上で自分にはどういう食生活が合っているのかを考え選択することが必要だと思いました。エシカルも同様に「知ること」から始まりますね。

ー 最後に告知や募集などあれば教えてください!

今後は、ロゴを含むブランディングとイラスト制作の仕事に注力していきたいです。

マーケティングの観点から、ブランドを作る際は「届くべき人に届ける」を意識し、ターゲットに響きそうな世界観を作り込みます。今後はロゴに限らずSNSやWEBなど、複数人の才能を掛け合わせたチームで一貫した世界観を作り込み、誰かに深く刺さるブランドやビジュアルを完成させたいです。

また、最近はイラストを書く時間が減ってしまっているので、もう少し副交感神経をオンにして、自由に書きながら、人の心を掴むイラストを生み出せたらと思います。

「世界の幸福度を上げたい」という想いが少しでもある方とご一緒できると嬉しいです。

ー shihoさんの人生が体現されたときめきが、今後もクリエイティブな活動を通して見られることを楽しみにしています。ありがとうございました!


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