広告を通して、社会課題解決の糸口になりたい。
こんにちは!AWAKE&編集部です。会員の皆様に、人生観や、大切にしていること、日々の気づきなどをお話いただく「AWAKE&会員インタビュー企画」が始まりました!
今回は、広告プランナーの朝倉奈央さんに、あらゆる社会課題の解決に向けて広告が担う役割や、エシカルなライフスタイルについてお伺いしました。10年間の海外生活を経て、世界各地の社会課題に対する捉え方・考え方に触れ、日本との相違点や課題点に多くの気付きがありました。
Profile
朝倉奈央(あさくらなお)
1996年生まれ。広告代理店勤務。広告プランナー。GreenTEA運営。海外生活を通して環境問題や社会問題に触れ、帰国後はSNSを通して広告から見る社会問題やエシカルな暮らしに関する情報発信を行う。Instagram:@cest_nao , @ads_for_action
—— 今回のゲストはAWAKE&会員の朝倉奈央さんです。自己紹介をお願いします!
朝倉奈央です。鳥取県出身で、現在横浜で暮らしています。14歳の時にアメリカの高校へ留学し、その後フランスの大学に進学しました。現在は都内の広告代理店で働いています。よろしくお願いいたします!
—— AWAKE&に入会してくださったキッカケはなんでしたか?
私はこれまで、10年間世界各地を転々としてきました。海外生活の中で、自然とエシカルについて知ったり学んだりする機会があったのですが、帰国後、日本で生活するようになると、環境問題や社会問題について知る機会や、学べる場所が少ないように感じました。そんな中で、様々なトピックの知識や情報が詰まっているAWAKE&のリリースを知り、入会させていただきました。
—— 実際に学ばれてみて、面白かったコースはありますか?
ホリスティックヘルスコースとエンパシーコースです。私は日頃から、社会問題や環境問題について考える機会は多いのですが、医療や健康について学んだり、考えたりするきっかけはあまりありませんでした。病気への向き合い方や体と心の健康を保つコツ、西洋医学と東洋医学の双方を活かして「身体を癒すこと」の本質を学べたのは、すごく新しい視点で勉強になりました。
—— エンパシーコースはどうでしたか?
エンパシーコースでは、国籍や性別、年齢の垣根を超えて「どのように人と関わっていくと、お互いに、気持ちよく付き合っていけるか」という事を学べたのがよかったです!これまでの対人関係の向き合い方を見直すキッカケになり、新しい気付きがたくさんありました。
人種や性別を見た目で判断できないと実感した異文化での体験
—— なおさんは高校生でアメリカへ留学されたそうですが、それはどういったキッカケでしたか?
母の勧めで3歳から英会話を習っており、中学生の時にイギリスのサマースクールに参加しました。そこでの思い出がすごく楽しかったので、より語学を極めたいと思い、アメリカへの留学を決めました。
—— 留学を通して、人生における学びや思い出など何かありましたか?
私はアメリカ、フランス以外にも、イギリス、シンガポール、ハワイなどに滞在経験があるのですが、友人との交流や授業など、何気ない各国での生活を通して、社会問題や環境問題などを考える機会に自然と出会ったんです。気が付いたら、エシカルやサスティナブルについて興味を持ち、自ら勉強するようになっていました。
—— 具体的にどのようなことを学ばれましたか?
例えばアメリカの高校に在学中は、夏休みの間に性別を変える手術をする生徒に出会いました。1学期は男の子だった子が2学期からは女の子になったり、またその逆があったり、自分は性別を特定しないという人もいたり。名前や呼び方も変わったりするので、初めは少し驚きましたが、そこではLGBTQ+の生徒がカミングアウトすると「言ってくれてありがとう。尊敬するよ。」と言っている人が多くいました。
—— アメリカではLGBTQ+に対する理解がかなり進んでるんですね。
はい、まだまだ問題はあるとは思いますが、日本に比べるとかなりオープンになってきていると思います。参観日に来られる親御さんを見ても、「お父さんとお母さん」だけではなく、お母さんが2人いる家庭があったり、アジア系のクラスメイトのご両親がどちらも白人だったりしました。
このように、海外では、性別や人種の多様性が認められやすい環境であることを知りました。
—— 多様性が認められる時代に、初対面の人の国籍や性別を知りたい時は、どのように聞くのが最適でしょうか?
私は「Where are you from?(どこから来たの?)」と聞くようにしています。ヨーロッパでは、陸続きなこともあり、「イタリア人の父と、ドイツ人の母だけど、私はフランスで生まれたよ」というようなケースもあるので、純〇〇人という括りはないのかな?と思います。
いろいろな要素や要因が重なって出来上がった人種が、それぞれあるからこそ、黒人・白人・アジア人のように、外見で一概にラベルをつけるのではなく、出身地を聞くところから徐々にプライベートについて知っていけるのが理想的だと思います。
「活動家」の概念を変えたい。
—— なおさんから見て今の日本の社会課題の問題点は何だと思いますか?
「熱心な活動家」or「全く関心がない人」の差が大きいところかなって思います。海外では、「Veganではないけど、環境や動物への影響も考えると、少しでもお肉の消費を減らそうと思う」といった感じで、ストイック過ぎず、しかし決して無関心ではない「中間層の考え」を持っている人が多くいます。日本でもこの中間層の割合が増える事で、問題解決に向けたスピードが加速するのかなと感じています。
—— 国民全体の一般常識、共通認識を高めることが大切ですね。
一人ひとりが、使い捨てのものをなるべく使わないようにしたり、消費の見直しをすることが理想的ですが、日本ではそのアクション自体が「熱心な活動家や発信者の活動」と捉えられがちなのかなって…。ここの意識の底上げが必要だと思うので、微力ながらSNSでの発信を続けています!
—— その他にも日常生活で実践しているエシカルな取り組みはありますか?
私は広告代理店で働いているのですが、SDGsプロジェクトの一環で、社員に向けてSDGsに関する講義を行なっています。少しでも多くの人に、知らないうちに加担してしまっている様々な問題の現状を知って欲しいのはもちろんですが、広告を作っていると、作り手が思いもしなかった所で、炎上してしまうこともあるので、それを避けるためにも社員全体の社会問題への共通認識や知識を高めるのが目的です。
—— 社員の方の反応はどうですか?
やはり環境問題というと、つい大きな問題だと捉えてしまい、「個人の力なんて、たかが知れている…」と思われている方が沢山いました。
しかし、講義を通して、個人でできる簡単なアクションを知ってもらうことで、環境問題を「自分ごと」として捉えてもらい、行動に繋げてくれる方がいるのがとても嬉しいです。例えば、まずは社内の使い捨てカップを減らそうと、タンブラーを作って社員に配布してくれたりなど、少しずつ意識している人が増えていて、とても嬉しいです。広告を作る上でも「これはGreen Washになるかな?」というような議論も生まれるようになったので、とてもやりがいを感じています!
—— 広告だけでなく、社内に向けても積極的に働きかけ、社員さんの意識改革も行なっているのが素敵だな〜と思います。
1人が持っているパワーっていうのはもちろん大きいのですが、1人でできることにはどうしても限界があって、直接的な課題解決を目指すのは難しいと思います。だからこそ、「1人の100歩より100人の1歩」と言われるように、みんなが自分の身近な人の意識を変えていくことで、結果的に大きな変化に繋がっていくと信じています!
人々にインパクトを与えながらも「否定しない」
—— SNSで情報発信をする際に、なにか心がけていることはありますか?
環境問題や社会問題に対して活動していない人を「否定しない」ということです。私はたまたま海外で生活をしていたので、様々な問題について知るきっかけがありましたが、日本で暮らしていると、知るきっかけがない人は多いと思います。だから、そのきっかけ作りとしてSNS発信を始めました。最終的に目指している課題解決のゴールは皆同じなのに、伝え手が攻撃的だったり否定的だったりすることで、人々の関心が遠ざかってしまう懸念があります。逆に、未来志向でポジティブな印象を与えられると、今まで興味がなかった層の関心を得る可能性が増えると思うので、伝え方は特に気を付けています。
しかし、「過激」と捉えられがちなインパクトのあるメッセージを伝えることも絶対に必要だと思うので、一概に正解や不正解はないと思っています。
—— なおさんが活動している「Green TEA」について教えてください。
私が活動している「Green TEA」では、気候危機を中心とした様々な社会問題に対しアクションを起こすコミュニティです。TEAは、Team Environmental Activistというチーム環境活動家の頭文字をとったものになります。月に1回のミーティングを通して、何かしたいけど何から始めたらいいか分からない方から、経験豊富な活動家まで、様々な方が集まりアクション方法を一緒に見つけていきます。
社会問題を解決するために一歩踏み出したい、仲間作りをしたい、具体的なアクション方法を学びたい、活動家の話を聞きたい、気候危機を回避したい、などの想いがある方にはピッタリのコミュニティです。ぜひ参加してみてください!
—— 最後に、今後の夢や目標があれば教えてください。
私は、広告を通して社会問題や環境問題を解決したいです。初めは、それらの問題に直接的に関れる団体や企業への就職も考えたのですが、今の社会で必要なことは「1人でも多くの人にあらゆる社会問題に気付いてもらうこと」だと感じました。日々何気なく触れる広告は、気付かないうちに、良くも悪くも、人々の脳にイメージや固定概念として、潜在的に植え付けやすいものだと思います。
だからこそ、広告が社会にインパクトのあるものに変わることで、誰かに気付きを与え、日々の消費はもちろん、毎日の行動や意識を変えることができると思っています。様々な問題を解決できるような広告を企画できるよう、これからも広告プランナーとして頑張ります!
—— 貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!
エシカルライフスタイルを学ぶ
オンラインスクール
【AWAKE&(アウェイク アンド)】
AWAKE&が大切にしているのは「学び続ける」こと。各分野で活躍する講師の方々から学び、視野を広げながら、エシカルライフスタイルを無理なく実践することができます。