日本で買えるフェアトレード企業のブランド8選
フェアトレードは、途上国の生産者と先進国の消費者の間に、より公平で持続可能な取引関係を構築することを目的とした社会運動であり、経済システムです。
途上国の小規模農家や労働者、職人に対して、より良い価格や労働条件で製品を販売する機会を提供します。
フェアトレード運動の根底にあるのは、経済的地位や場所に関係なく、すべての人が尊厳をもって扱われるに値するという考えです。フェアトレードは、先住民や女性など、不利な立場に置かれているコミュニティの権利を擁護し、貧困の削減と持続可能な開発の促進を目指すものなのです。
オンラインスクール AWAKE&では、エシカル消費について詳しく学ぶことができます。
フェアトレードの10原則
フェアトレードは、以下のような10原則に基づいています。
(参照:WFTO)
原則1:経済的弱者である生産者に機会を与える
原則2:透明性と説明責任
原則3:フェアトレードの実行
原則4: 公正価格
原則5:こどもの労働、強制労働のない社会
原則6:差別のないこと、男女平等、女性の経済的・社会的地位の向上、そして結社の自由への誓約
原則7:適切な職場環境の確保
原則8:キャパシティー・ビルディング(能力強化)の提供
原則9:フェアトレードの推進
原則10:環境への配慮
フェアトレードの認証マーク
これらの原則を守るために、フェアトレード・インターナショナルや世界フェアトレード機構(WFTO)などのフェアトレード団体や認証機関が基準を定め、その基準を満たした製品を認証しています。フェアトレードの認証マークが付けられることで、消費者が倫理的かつ持続可能な方法で生産された製品を識別できるようにします。
フェアトレード商品
フェアトレード商品には、コーヒー、紅茶、ココア、砂糖、米、バナナ、マンゴー、ナッツ、穀物、ワイン、ビール、衣類、アクセサリー、インテリアなど、さまざまなものがあります。
フェアトレードのメリット
フェアトレードは、生産者に安定した収入源を提供し、地域のビジネスを支援することで、発展途上国の経済発展を促進します。これは、貧困を減らし、生活水準を向上させることにつながります。
生産者にとってのメリットに加え、フェアトレードは消費者や環境にとってもメリットがあります。
消費者は、フェアトレードの商品を選ぶことで、自分の買い物が生産者や社会に与えている影響を、ポジティブに捉えることができます。
また、フェアトレードは持続可能な農業の実践を促進し、環境を保護し、将来の世代のために天然資源を保護することができます。
フェアトレードの課題
しかしフェアトレード製品はまだ世界貿易のごく一部に過ぎず、多くの生産者が低価格、不適切な労働条件、市場へのアクセスの欠如などの課題に直面しています。
フェアトレードの課題として、消費者が購入する商品が本当にフェアトレードであるかどうかを判断することが難しいことが挙げられます。企業によっては、自社製品を実際よりも環境や社会的責任に配慮しているように見せかけるグリーンウォッシュを用いる場合もあります。本物のフェアトレードを支援するために、信頼できるフェアトレード団体の認定を受けた製品を探すことも1つの手段です。
もう一つの課題は、フェアトレード製品は非フェアトレード製品よりも高価な場合があることです。これは、フェアトレードの生産者がより高い価格で製品を受け取ることが多いためで、持続可能な農業の実践に必要なコストと労働者への公正な賃金をまかなうために必要なことなのです。
それではフェアトレードを実践する企業のブランド8選をご紹介します。
VEJA(ヴェジャ)
ヴェジャは、フランス発のサステナブルスニーカーブランド。環境に配慮したオーガニックコットンや、アマゾンの天然ゴムを使用し、フェアトレードを掲げてる企業です。ヴィーガンレザーを使用していることでも有名です。
VEJA公式サイトには、フェアトレードに関してこのように記されています。
「私たちにとってのフェアトレードとは、中間業者を使用せず、生産者と直接取引すること。 VEJA は収穫前に、40%の前払いで綿花を調達しています。 つまり、スニーカーになる1年前にオーガニックコットンを仕入れていることになります。年初に生産者と年間契約を結び、相互合意のもとで綿花の価格を決めます。 こうすることで生産者は、種を蒔く前から収穫した際どれだけの収入が得られるかを予測することができます。合意された価格は、生産者がまっとうに生活し、継続して農場に投資できるようにするためのもので、市場価格とはまったく連動していません。VEJA は生産者の収入を増やします。」
▼公式サイト
https://www.veja-store.com/ja_jp/
THE BODY SHOP(ザ・ボディショップ)
ザ・ボディショップは、「企業には世界を良くする力がある」という想いからイギリスで始まった自然派化粧品の企業です。天然原料を配合したスキンケア、ボディケア、フレグランス、メイクアップなどの製品を扱い、現在世界中に60カ国以上、3000店舗以上を展開しています。日本でもよく店舗を見かけますよね。動物実験に反対するキャンペーンを行った最初の化粧品会社でもあるそうです。
ザ・ボディショップの、サステナビリティグローバルレポート2018にはフェアトレードに関して、このように記されています。
「コミュニティトレードは、当社が独自に検証したフェアトレードの調達プログラムで、美容業界では史上初で最大規模のものです。これによって、世界中のコミュニティから天然成分、ギフト、アクセサリーを調達できるようになりました。コミュニティトレードは、小規模サプライヤーに対し、良好な取引慣行、公正な価格、及び、社会の主流から取り残されたようなコミュニティへの投資を提供しており、その見返りとして、持続可能な調達方法と適正な労働基準の遵守をサプライヤーに求めています。2018年末時点では、コミュニティトレードの成分24種に加え、23カ国31社のサプライヤーから
コミュニティトレードのアクセサリーやギフトを調達しています。」
▼公式サイト
https://www.the-body-shop.co.jp/shop/
patagonia(パタゴニア)
アウトドアウェアブランドの代表格であるパタゴニア。自然環境保護・回復のため売上の1%を寄付、修理サービス、再生可能エネルギーの導入や、リサイクル素材の使用など、環境問題へのアクションで世界をリードしている企業です。フェアトレードにおいても同様です。
パタゴニア公式サイトには、フェアトレードに関してこのように記されています。
「フェアトレードUSAとのパートナーシップを通してパタゴニアは2014年よりフェアトレード認証済み衣類を作ってきました。今日、どの衣類ブランドよりも多くのフェアトレード・サーティファイド縫製製品を提供していることを誇りに思います。これまでにこのプログラムは世界中の10か国にて7万2千人以上の労働者に恩恵をもたらしました。パタゴニアはフェアトレード・サーティファイド縫製ラベルの付いた1点の製品ごとに賞与(プレミアム)を支払います。この賞与は工場の労働者に直接送られ、彼らがその用途を決定します。」
▼公式サイト
https://www.patagonia.jp/home/
IKEUCHI ORGANIC(イケウチオーガニック)
1953年にタオルの街、愛媛県今治市に誕生したイケウチオーガニック。
製織工場の使用電力100%を風力発電で間接的に賄うグリーン電力証書システムを利用し、素材はオーガニックコットンを使用と、環境負荷を最小限に抑えている企業です。さらに、オーガニックコットンの3つの条件の一つとして、フェアトレードであることを掲げています。
イケウチオーガニックの公式サイトには、フェアトレードに関してこのように記されています。
「オーガニックとは、自然環境に対してのみ使う言葉ではありません。私たち人間も自然の一部であるという前提に立ち、全ての存在に対して本来あるべき関係を築くのが、オーガニックという言葉です。本来のコットン。オーガニックコットンをそう呼ぶ根拠となる3条件です。」
「正しいオーガニックコットンでタオルをつくっていたら、そこに自然とフェアトレードと呼ばれる関係があったのです。私たちは、オーガニックコットンを育てる農家たち、パートナー工場で生産に関わるすべての仲間たちに対して人格を感じてタオルをつくることを大切にしています。」
▼公式サイト
https://www.ikeuchi.org/
シサム工房
シサム工房は、フェアトレードの洋服やアクセサリー、家具などを扱っている企業です。サイト内ブログから、あたたかい雰囲気が伝わってきます。
シサム工房の公式サイトには、フェアトレードに関してこのように記されています。
「シサム工房では、公正な価格での「ものの売買」だけでなく、生産者が自尊心を持ち、自分たちの暮らしを選択していく力をつける仕組みがあることがフェアトレードだと考えています。そうした考えから、国際機関のWFTO(世界フェアトレード機関)に加盟しているNGOとの提携や国際フェアトレード認証の仕組みをとても大切にしています。」
▼公式サイト
https://sisam.shop-pro.jp/
MUD JEANS(マッド・ジーンズ)
マッド・ジーンズは、オランダ発のサスティナブルなデニムブランド。ファッション業界において、ジーンズは特に環境負荷の高いといわれますが、マッド・ジーンズはサスティナブルな手法で作ることに挑戦してる企業です。
世界初のサーキュラーデニムブランドとしてリサイクルコットンを積極的に使用するとともに、生産過程におけるCO2排出量や水の使用量を大幅に減らす努力をしているのです。またマッド・ジーンズはGOTS認定のオーガニックコットンを使用しており、GOTS は農家が公正かつ安全な条件で作業し、有毒な化学物質が使用されていないことを監視しています。
マッド・ジーンズの公式サイトには、フェアトレードに関してこのように記されています。
「私たちは公正で平等な賃金を提供し、サプライチェーン全体で働くすべての人の生活を豊かにしたいと考えています。したがって、私たちはサプライチェーンのすべての労働者に最低賃金以上の賃金を支払うことを目指しています。」
▼販売サイト
https://ethicalconnections.jp/search?q=mud+jeans&type=product
▼公式サイト
https://mudjeans.eu/pages/fair-production
People Tree (ピープル・ツリー)
フェアトレードといえば、ピープル・ツリーの名前を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?ピープル・ツリーは、主に環境に配慮したオーガニックコットンやテンセルなどの自然素材を使い、エシカルファッションを展開しています。そしてあたたかな手仕事での生産を推進しています。
ピープル・ツリーの公式サイトには、フェアトレードに関してこのように記されています。
「“手仕事”は味わい深い製品を生むだけでなく、経済的・社会的に不利な立場にある人びとに、それぞれの能力を充分に活かせる仕事をもたらし、収入を得る機会をつくります。そして、こうした人びとが資本・ハイテクノロジーが支配する大量生産のシステムにのみこまれることなく、国際貿易に参加し、自立を図ることにつながるのです。これが「フェアトレード」です。」
▼公式サイト
https://www.peopletree.co.jp/index.html
TOPVALU(トップバリュ)
イオンが展開するプライベートブランド「トップバリュ」は、目にしたことのある方が多いのではないでしょうか?トップバリュは、海のエコラベルMSC認証や、森のエコラベルFSC認証、オーガニック・有機JAS認証など、環境に配慮した商品も多数展開しています。
そして、国際フェアトレード認証を取得したチョコレートや、コーヒー、紅茶を取り扱っています。イオンに置いてあれば、私たちにとっても手にとりやすいですね。
イオンの公式サイトには、フェアトレードに関してこのように記されています。
「イオンは、自然資源の持続可能性と事業活動の継続的な発展との両立を目指し、「イオン 持続可能な調達原則」に基づいた商品調達を行っています。この調達原則をさらに推進するため、このたび、イオンのプライベートブランドで販売するすべてのカカオで使用する原料を持続可能性の裏付けがとれたものへと変換するという新たな目標を設定しました。
この目標達成に向け、これまで取り組んできたフェアトレード等の第三者認証を取得した原料調達を拡大するとともに、生産地それぞれの状況に合わせた調達計画を立て、生産者や労働者の方々が抱える課題解決の支援を実施していきます。」
▼公式サイト
https://www.topvalu.net/search/item/?word=fairtrade
以上、フェアトレードを実践する企業のブランド8選でした。次回スニーカーを買うとき、洋服を買うとき、チョコレートを買うとき、ぜひフェアトレードのブランドを検討してみてくださいね!
オンラインスクール AWAKE&では、エシカル消費について詳しく学ぶことができます。